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(14)二重作ワンド(入江) | | | 北浦湖岸の形状は、古地形がそのまま岸の出入りの動きを残している。関東平野を削った古巴川の蛇行の痕跡が谷となりそこに海進により湖水が湛えている。 その北浦に縄文時代の海進海退により鹿島台地ならびに行方台地を削り谷津が形成された。その後谷津は周辺の貯水力のある常緑照葉樹の樹叢により豊富な水で湧き新しい河川が北浦に注いでいる。『常陸国風土記』の鹿島郡「白鳥郷」の記載で、白鳥たちの石の積み上げの努力にも関わらず堤を築けなかったこと記載があるが、これは当時弥生時代の土木技術では大量の流水を堰き止めるだけの能力がなかったことを示しているものと思われる。 この二重作ワンドに冬が来るとシベリアなど極東方面からの冬鳥たちの飛来が見られる。北浦北部地域は県内でも有数の野鳥飛来地である。また、カンムリカイツブリなど年間の生活繁殖地となっている。
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